12歳ぐらいだったと思う。毎晩夜10:00頃になると、「夜のバラード」という番組をやっていた。ちょうど布団に入る時間で、美しい詩を聞きながら寝入ってしまった豊かな時間が流れていた時代だった。番組の中で毎回ゲスト(たいてい俳優さん)が登場し、愛読の詩を朗読する時間があった。立原道造、中原中也(汚れちまった悲しみに・・・・)、高村光太郎の「智恵子抄」などの詩が朗読され、「こんな世界もあるのか」と目くるめく世界に我を忘れるようなひと時だった。中でも宮沢賢治の「永訣の朝」には強い衝撃を受け、賢治の詩をむさぼるように読んだ時期があった。高校の「現代国語」の教科書の中に「永訣の朝」が採用されていて、そこを扱う授業の時「この時間が永遠に続けばいいのに」と思ったものだ。この番組で由紀さおりの「夜明けのスキャット」が流れていた。
ネットで調べてみたら、この番組のファンはかなりいたらしくいろんな情報が得られた。リスナーの投稿詩も読まれていたらしいが、私は記憶にない。
『夜のバラード
本番組は深夜一歩手前の時間帯に、夜のムードを静かに味わう詩と音楽のファンタスティック番組をコンセプトとして開始された。番組内で朗読される詩についてはパーソナリティが、内外の詩人の作品を紹介・朗読する形式で進められた。また、週一回、リスナーから寄せられたポエム・レターを朗読する日もあった。明治製菓(現:明治)の一社提供であり、東京放送、朝日放送、中部日本放送(現:CBCラジオ)、北海道放送の4局で放送されていたネット番組であった。』
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